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M&Aされたら何が変わる?従業員編

更新:5/29

ここでは、M&Aされた側の従業員に起きる変化を取り上げます。

 

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給料

まずは、1番気になるであろう給料のお話。

結論から申しますと「ほとんどのケースでは変わりません。」では、どのような流れになるかを具体的に説明します。

 

譲渡後数年間は、従業員にとって不利益変更に当たる処遇変更はしませんので、譲渡前よりも悪くなる事はほとんどありません。就業規則も同じくほとんど変更ありません。

 

ただ、数年後(2〜5年後)にはグループで統一の制度に移行していくケースが多く、移行までに細かい内容を擦り合わせていく事が普通です。移行する理由は、グループ間で処遇に大きな差があると従業員間で不和が生まれ、営業に支障が出る事があるのでそれを避けるためです。他にも、グループの管理を1つの部署で行なっている事が多いので、管理効率を考慮しても1つの制度にまとまっているほうが良いからという理由が挙げられます。

 

制度の統一と聞くと、待遇が悪くなってしまうかと思われがちですが、ほとんどのケースでは良くなっていると見受けられます。小規模の薬局では年収が高く設定されてる事が多いですが、昇給については細かく設定されていない事が多いと思います。

 

私が見て来た限りでは制度などなく、経営者のさじ加減で昇給額をきめているところが多かったです。従って給料に関しては数年かけて新しい制度の枠組みに移行していきますし、不利になる事は少なく、ましてや活躍した分をちゃんと評価してもらえるようになり、頑張りに見合った給料になるので心配はほとんどないと言えるでしょう。

 

これまでの説明で「ほとんど」という言葉を何回か使ってきました。例外もあるという事を含めて使いましたのでその例外を紹介します。

 

常識を超えた給料設定の場合、適正な額へ変更されるケースがあります。ただし、強制的な変更とはならず、本人と相談の上での変更です(不利益変更禁止の原則に基づくもの)。今まで私が見てきたケースでは年収1,000万円以上がその対象になると思われます。年収1,000万円を超えた給料設定の多くは、薬剤師不足状況下における薬剤師確保のための価格交渉で釣り上ってしまったものだと思います。いわゆる、辞めさせないための給料上乗せです。大手企業が譲り受ける場合、この問題はほぼ解決できますので、上がってしまった給料は適正な価格に是正されると思ったほうがよろしいでしょう。ただし、大手企業でもどうにも対応出来ない場合もあります。その時には同額で継続したケースもありましたので、全てのケースでは下がるとは言えないという結論になるかと思います。

 

実は給料が上がるパターンもありますのでご紹介します。上がる事なんてあるの?と思うかもしれませんがあるのです。私の経験の記憶を辿ってみると下がるケースと同じ数だけ上がるケースもあったかと思いますので、意外に多いんだと思います。1番インパクトがあった事例を紹介します。

 

年収700万円が800万円になったケースです。理由は年収から逆算する業務量が平均を遥かに超えていたからです。その方は在宅への取組みも人一倍でした。給料を上げるにはポイントとなる点があります。それは譲渡側の社長もしくは株主から認められる人間となっているということです。譲受側は譲り受ける際、譲受する会社の決算資料を見たり、社長から話を聞くだけですので、社長に自分の頑張りをアピールしてもらわないといけない訳です。ですから、日頃の行いが1番大事という結論になりますね。

以上が給料面の説明でした。

 

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業務負担

続いて、業務負担面です。

非常に多くのケースがありますので、決まり切った事は言えませんがM&A後は、最先端のシステムでないものから最先端のシステムに移行しますので、ほとんどのケースで負担量が減ります。ただし、譲り受ける側が最先端のシステムを使っていない場合や譲り受けた店舗をマネジメントする力がない場合、業務負担量は明らかに増えると思われます。

まず、最先端システムへ移行できるケースです。移行する時点で今までのやり方に変化が生まれますので、少々の負担は生じますが初めだけです。日々、手間のかからないシステムに移行するわけですから、最初だけ乗り越えれば後は楽になります。ただ、全体負担量は減りますが増えたように思う分野もあります。それは本部への報告です。大手になればなるほど、細かく店舗情報を分析しますので、増えたと思う事もあるかと思います。しかしながら、ほとんどがパソコン操作ですし、同じ事をグループ全店舗がやるわけです。また薬局業界で引っ張っていく存在であるという意識が少しでもあれば苦にはならないとの意見が多数です。

 

次に「譲り受ける側が最先端のシステムを使っていない場合や譲り受けた店舗をマネジメントする力がない場合」です。このケースは実のところなかなか私もフォローしにくい状況であります。最先端システムになるケースと同様本部への報告は必須となりますので、ほぼ毎日の報告が求められるようになります。が、便利なシステムが入るわけではないので単純に業務負担量が増える事になるわけです。負担が増えたままいく事はほとんどありませんが、約1年近くは今までのやり方とのギャップに戸惑い、大変さを感じることになるかと思います。

ここで、両方を経験した私の感想を述べさせて頂きたいと思います。今までのやり方を変える事に抵抗を覚えるのは、全ての人間に言える事だと思います。薬局のM&Aも同じで、抵抗を必ず感じるでしょう。ただ、M&Aの場合に生じる変化は良い方向になる変化がほとんどですので一時の負担は目を瞑って受け入れる事が賢明かと思います。グループとして運営する上で、どうしても現場に導入しなければならないシステム等がありますが、現場の方の反発や抵抗で中途半端な導入となる時があります。そうなると新旧のシステムが混在し、同じ事を2度行う羽目になるケースがよくあります。また新システムは本部へ報告するためだけに使われ、本来役に立つ機能をしていないというケースもよくあります。新システムの導入は誰にでも抵抗はありますが、より効率化を図れるようにするものであります。よって、解約金問題等の余程の理由がない場合は短期間でのスムーズな移行をオススメします。

 

 

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 休み

続いて休みについて説明します。

この点については明らかに良くなると言って良いでしょう。私は悪くなったケースを見た事がありません。譲り受ける側の会社は規模の拡大を目指していますが、もちろん同じくらい、質の向上を目指しています。質の中には従業員の待遇も含まれていますので、有休消化、産休制度、夏期休暇、年末年始休暇などしっかり取れるようになるかと思われます。

 

 

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 コンプライアンス

質の話が出ましたので、続けてコンプライアンスの話をします。和訳すると法令遵守ですが、大手企業はものすごく意識している分野であります。逆に中小企業はあまり意識していないように伺えます。この法令遵守、簡単に言いますと法令などの決まりごとは確実に守ります。ということで今まで以上に気を配ることになるかと思います。当たり前の事のような話ですが、全て守れている企業さんはなかなかおりません。何故かと言いますと、世の中にある決まりにはグレーゾーンと呼ばれる範囲があり、大手企業はこのグレーゾーンまで守ろうと考えているからです。ここで指すグレーゾーンとは、明らかに違反でもなく明らかに合法でもない、解釈によっては合法になるような行いを言っております。例えを挙げますと、薬局の施設基準、診療報酬点数、労働基準法など多岐に渡ります。この法令遵守に対する変化ですが、従業員さんにはプラスに働く事が多いかと思います。やらなければならない事をする、してはいけない事を辞める、業務負担量はそれぞれによりますが会社が存続していくために変える事ですので、最後は自分に返ってくる事です。非常に理にかなった変化ですので、大きな障害なく受け入れられることでしょう。

 

以上が大きな変化なのではないでしょうか。意外に悪くなかったと思う人も多いかと思います。昨今では一昔の反動なのか従業員を強く守る傾向があります。ですので、結論としては、もしM&Aされても大きな不安を抱く必要はないのかもしれません。